故宮博物院を後にし、また台北市内を回る。ガイドの陳さんが日本に来たとき買い損ねて悔やんだものが2つあった。それはペンチとのこぎりだったという。そういえば、日本には本当に何でもいい物がある。
昼食は鐵木真(ジンギスカン)料理で、どんぶりに自分で食べたいだけ、野菜や肉を盛り、たれまでかけて、持っていって焼いて貰う。合理的だし、結構美味しかった。
次に中正記念堂へ行った。蒋介石総統を記念して築かれ、89歳で亡くなったということで、89段の階段を登ると、まるでリンカーン記念堂を思わせる立派な造りの記念堂があった。
中正記念堂に着く
蒋介石は日本人の捕虜を返還したり、戦後処理で日本分割占領案に反対して、日本を分裂から守ってくれたと聞いて、頭を下げた。もし蒋介石が日本分割占領に反対しなかったら、日本人は現在、青い目や金髪のあふれる、混血の国になっていただろうと言う陳さんの話に、恐ろしささえ感じた。
記念堂に鎮座する蒋介石像
かなり激しく降った雨があがって、助かった。市内をバスで抜けるとき、中国の大都市の名前をとって付けたという、北京通
りや上海通りや長安通りでいろいろな建物を見たが、雨でバスの窓が濡れて、ビデオで写
せなかった。日本の総督府の建物や、台北の東門、迎賓館や外務省、そして憲兵が厳しく警備しているさまなど、印象に残った。
歩道を歩いている女子高校生を見て、陳さんが、「あの子たち頭がいいですよ。グリーンの制服は第一高女だから、名門の女学校です。」と熱のこもった話に、台湾の学歴偏重の一端を見たような気がした。
後の二人が名門の第一高女の生徒だという
陳さんがショジョウ寺の狸囃子を歌う
終わりに、保安宮という道教のお宮へ行った。綺麗と言えば綺麗だが、少しけばけばしい気がしないでもない。境内には線香の香りが立ちこめていて、台湾も信仰の篤い国だという気がする。私たちは、教会にもモスクにも神社にもお宮にもお寺にもいくつも参ったが、すべて物見遊山。信仰は薄い。この先私たちはどうなるのだろう。ともかく一応手を合わせる。
保安宮という道教のお宮
この後、ウーロン茶の店によって、美味しい本場のお茶をいただいた。
夜、辰子も興味を持っていたマッサージに、ツアーの仲間で出かけ、頑丈な私でも痛く感じるくらいのマッサージを体験して、旅の締めくくりとなった。
最後のホテル 六福大飯店からの町の眺め
(完)